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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ
後ろめたい気持ちを隠すために口角を上げて無理やりに笑顔を作って明るく振舞った。
『それは俺もだって。真緒と気持ちが通じるんだったら旅行なんて行くって言わなきゃよかったな。そしたら真緒に寂しい想いなんてさせなかったのに……ごめんな』
「ううん、私の事は気にしないで。なかなか会えない仲間と旅行に行くことなんてあまりないだろうし楽しんできてね。私も真和も夏樹の事待ってるから」
申し訳なさそうにする夏樹に慌てて言葉を返した。
『そう言ってもらえると帰るのが楽しみだな。それより真和は?』
真和の事を聞かれ、電話をかけた経緯を話すと悪いことをしたなとポツリとつぶやいた。
「仕方がないよ。電話だから出られない時もあるって」
『そうなんだけどさ。俺がいなくて寂しい思いさせてるって思うと今すぐにでも飛んで帰りたいよ。真和を抱きしめてさ、どこにもいかない、ずっと傍にいるぞ!って真和に伝えてあげたい。――やばい。マジで真和に会いたくなってきた』