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ひと夏の恋……そして……
第13章 私の心はどこに

「そのことですか。私も楽しかったので気にしないでください。――それにしても真和くんは良い子ですね。夕方に帰ってきたら真和くんが迎えてくれたんですよ。ママはまだ眠っているから静かにねって。そしてママのために何か作りたいけどどうしたらいいのか分からないって相談されて一緒に作ることにしたんです。私も料理が得意な方ではありませんでしたから簡単なオムライスになりましたが……真和くんはママに食べてもらうんだって頑張ってましたよ」

「そうだったんですね」

いつも我慢ばかりさせているのに、私のことを考えてくれる真和の態度に目頭が熱くなる。

「それに、真和くんは素直で優しい子すね。この3日間でそれが良くわかりましたよ」

佐伯さんの言葉に、我慢できずに一粒の涙がこぼれ落ちた。
ずっと片親で仕事が忙しいからとかまってあげられない事がほとんどで、寂しい思いをさせてばかりだと自己嫌悪に陥ることも多いから、素直で優しい子と言われ、ただただ心からうれしかった。


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