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ひと夏の恋……そして……
第13章 私の心はどこに

「それはよかった。それにしても潜ってウニを取ってきた時は驚きました」

「この海辺で育ってますからね。そんなに深くなければ潜ってはいろいろな物を採ってきますよ」

海で遊ぶ約束を覚えていてくれたようで、保育園から戻った真和を海へと連れて行ってくれた。
佐伯さんに言ったように、海辺で育った真和は遊びに来る大人よりも上手に泳げるし、潜ってウニやアワビを採ってくることもできる。
他所から来た人にとって小さな男の子が潜ることは珍しいことで、佐伯さんのように驚く姿を何度も目にしてきている。
それでも目を離すわけにも行かずに、海に入って遊ぶことは少ない。
だから余計に楽しかったんだと思う。

「上手に潜れても5歳の子供ですからね。目を離すわけにも行かないので中々海に連れていけないんですよ。なので佐伯さんが真和につきあってくれて助かりました」

「もう少し大きな子供でも目を離すと危ないですからね。当然だと思いますよ。それにしても私も久しぶりに海に入れて楽しかったですよ。夕方だからと言っても少し焼けちゃいましたけど」


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