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ひと夏の恋……そして……
第13章 私の心はどこに
Tシャツの袖を捲り上げた腕には、うっすらと焼けた後が残っていた。
元々こんがりと焼けた肌をしている人ではないから目立っている。
「そのくらいなら大丈夫だと思いますけど冷やしてくださいね。後で氷とタオルお渡ししますから」
初期の段階でケアをしていれば皮がむけることはない。
それにしても、この三日間で良く日焼けをしたと思う。
毎日外を回っているから仕方がないけど、島らしい男になった。
ずっと日の当たらないように過ごしていた和泉とは大違いだった。
「では、そろそろ戻りましょうか?昨日は遅くまでつきあわせてしまいましたからね」
もっと一緒にいたいと思っても、その言葉を飲み込んで戻ることにした。
家に戻るまで繋がれた手が離れることは一度もなく、店に入って別れる時が一番寂しかった。
その想いは、和泉と愛し合った後に別れる時と同じような気がした。
「それでは、また明日」
「はい。おやすみなさい」
お互いに言葉を交わし手を放して部屋に戻ろうとした時、もう一度手を取られ思いもよらない言葉を耳にする。