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ひと夏の恋……そして……
第14章 花火大会と決意

「あと1本ビールを飲みますか?」

「何本持ってきたんですか!」

空になったビールを見てバックからビールを取り出せば驚きの声を上げる。

「これが最後ですよ。足りなかったら屋台で買ってきてください」

クスクス笑いながら残り1本のビールを渡して、少し離れているところにある出店を指さした。

「これだけで十分ですよ。本当にあなたって人は……」

このため息は怒っているわけでもなく呆れているのだとわかるようになってきた。

「ママ、おなかすいた」

話に割って入ってきた真和に、今度はバックからおにぎりを出して渡せばさらに驚かせたのは言うまでもない。

「他には入っていないでしょうね」

「さすがに入ってませんよ」

空になったバックを見せれば、安心したように肩を落とした。

「もう、無茶はしないでください」

「無茶はしていませんよ。今日は佐伯さんが真和を肩車してくれたおかげで楽ができましたし、真和を抱くより軽いですからね」

それが本心でもある。


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