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第15章 私が下した決断

「楽しくもない話ですが……私の昔話、聞いてもらえますか？」

そう言葉を続け、私の過去の出来事を話し始めた。
それは夏樹にこの場所で話した内容で、あの時、夏樹に掛けてもらった言葉が今でも心よりどころになっている。

『今まで真緒ちゃんの傍にいた人たちは真緒ちゃんのことを好みと思わなかっただけ。だけどここは違う。俺も、マリさんも常連のお客さんも真緒ちゃんは可愛いと思ってる。みんな真緒ちゃんの事が好きだよ』

その言葉に勇気をもらえた。
どんなにつらい毎日でも耐え抜けられたのは、外ならぬ夏樹のおかげだった。

「その夏樹さんって方が真緒さんを救ってくれたんですね」

「はい。彼がいなければ今の私はありません。命の恩人であり、大切な人です。ですが、私は彼を傷つけてしまった。一番最低な事をして傷つけてしまったんです」

今でも思い出すと心が締め付けられそうに苦しくなる。
それでも和泉と出会い愛し合えたことだけは後悔はしていない。
和泉がいたから真和を授かり、今を生きていられるから……