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ひと夏の恋……そして……
第15章 私が下した決断

「もしかして、その和泉さんという方が真和くんの父親ですか?」

「はい。私の名前の真緒の真と和泉の和を取って真和と名付けました。私と和泉が愛した証だということを忘れないために」

安直な名前の付け方だったのかもしれない。
だけど、和泉との絆が切れることを一番に恐れた。
連絡先も分からないし、どこにいるかもわからない。
この先、二度と会えないかもしれないと思うと、私と和泉の愛し合った証を残していたくて、真和と名付けた。

「真和がお腹にいると分かったのは実家に帰った後のことでした。その頃には両親との仲も良好だったんですけどね。妊娠したとなれば話は別。もう大変でしたよ。叔母を呼びつけて昔みたいに私や叔母を罵り、関係は悪化。だけど、一番ショックだったのは、味方だと思っていた叔母さえも中絶を進めたことでした。最初から中絶なんか頭になかったからショックでした。一番の理解者で賛成はしなくても相談に乗ってくれるとおもっていたから……」


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