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ひと夏の恋……そして……
第15章 私が下した決断

そう……
唯一、味方だと思っていた叔母さんから中絶を進められた私はショックを受けた。
毎日のように両親と叔母さんに中絶をするように言われ、このままだったら力づくでも中絶をさせられると思った私は、叔母さんの店で働いて貰ったバイト代を握りしめて家を飛び出していた。
行く場所もなければ頼る人もいない。
それでも足を向けたのは夏樹や和泉が通っている大学だった。
いないと分かっていても、和泉が住んでいるアパートにも何度も足を運んだ。
寝る場所は安いホテルだったりネットカフェ。
今思えば無謀なことだったと思う。
それでも、お腹の中の命を望まない人たちの元には戻れなかった。
お腹も大きくなり、これからどうしようかと悩んでいる時に夏樹から電話かかってきた。
家を出てから毎日のように叔母さんからは電話はかかってきていたけど、夏樹からかかってきたのは久しぶりだった。
夏樹が生むことに賛成か反対かは分からないけど、誰かに縋りつきたくて、電話に出ることにした。


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