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ひと夏の恋……そして……
第15章 私が下した決断
「マリさんは真緒が出て行って後悔してた。もう少しちゃんと話を聞いてあげればよかった、頭ごなしに中絶を進めるんじゃなくて真緒の気持ちをもっと考えるべきだったって。それに、真緒が今なにしてるかって話になるといつも泣いてたよ。私が悪いんだ、私が真緒の味方になってやらなかったから私が追い詰めたんだって、いつも泣いてた」
あんなに頑なに中絶を進めていた叔母さんが、そんな風に思っていてくれたとは知らず、泣いていたと聞いて心が痛くなる。
私の方こそ、分かってもらえるまで叔母さんだけでも話をしていればよかったと後悔する。
「そういえばさ。真緒が妊娠したってソンちゃんが聞いた時、ソンちゃん、何て言ったと思う?」
夏樹の声がどこか楽しそうに明るかった。
顔を上げて夏樹の顔を見ても、何か楽しいことを思い出しているようで明るい。
「ソンちゃん、何て言ったの?」
分からず聞けば、夏樹はニヤリと笑った。