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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

誤解だったにせよ、あんなところを見せられれば誰だって怒るのは無理もない。
昨日の事をどうしても説明したくて何度電話を鳴らしても、夏樹が電話に出てくれることはなかった。
ソンちゃんが来る前に電話をしてみれば、今度は電源が切られていて繋がることもなかった。

「それにしては浮かない顔してるね」

考え事をしていると、ソンちゃんが私の前髪をかきあげて覗き込んできて慌てて笑顔を向けた。

「そんなことないよ。いろいろ考え事してたら寝そびれちゃって、寝不足なだけ」

「ふ~ん。寝不足ねぇ~~。早くに寝たんじゃなかったのかい?」

「えっ?あっ……寝たのは早かったけど一度起きたら眠れなくなって……」

「変な子だねぇ~今日からは人も少なくなるだろうし、きついなら奥に入って休んどきな」

あたふたする私の様子を疲れているだけど思ったソンちゃんが心配して言ってくれる。
理由が理由だけに相談することもできずに笑って誤魔化すしかなかった。


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