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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

「ね~ママ!なつ兄ちゃんいつ帰ってくるの?花火が終わって僕が寝たら帰ってくるって言ったよね。いっぱい寝たのに何で会いに来てくれないの?」
花火大会が終わって一週間、夏樹から拒絶されて3日。
旅行から戻ったらすぐに会いに来るという約束を夏樹としていた真和は不思議がっていた。
「昨日も言ったよね。お宿の仕事が忙しくて真和に会いにくる暇がないんだよ」
「でも、僕、約束したよ。一番に僕に会いにきてくれるって」
「そうだね。約束したよね……でも無理させちゃダメだよね。無理させちゃうと疲れて倒れちゃうよ」
「ママみたいに?ママもお仕事忙しいと疲れちゃうもんね」
「うん。ママと同じ。だからお仕事が落ちつくまで待ってよっか」
心苦しく思いながら嘘で真和は納得させる。
納得してくれても次の日になれば同じような会話を真和と繰り返し、どんどん聞き分けが悪くなり、分かってくれない真和にイライラし始めていた。

