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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

「ねぇ!なんで?なんでなつ兄ちゃん会いに来てくれないの?僕の事が嫌いになったから?」
「真和の事嫌いになんてなってないよ」
「だったらなんで?どうして会いに来てくれないの?」
「だから何度も言ってるでしょ?仕事が忙しいからだよ」
「そんなの嘘だもん。電話もでてくれないもん。やっぱり僕の事、嫌いになっちゃったんだ。わぁぁぁぁぁぁん」
自分に会いに来てくれないのは自分が嫌われていると思っている真和は声を上げて泣き出した。
そんな真和を抱きしめて背中を撫でると、私にしがみついて泣き続けた。
その姿を見ながら申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
夏樹に嫌われているのは私で真和じゃない。
それを言ったところで真和が理解できるわけもなく、何も説明もできないまま悲しませてばかりだ。
しばらく私の腕の中で泣いた真和は、泣きつかれたのかそのまま眠りに落ちる。
そんな毎日が続いた。

