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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

いつものように泣きつかれた真和を寝かせたまま夕食の準備を始めた。
最近は食欲だってあまりない。
真和の好きなものをテーブルに並べても半分も口にせずにごちそうさまをする。
どうにかして真和と会ってほしくて夏樹に会いに行っても相手にしてもらえず、真和の事を話しても取り合えってはくれなかった。

「どうすればいいのかな」

そんな言葉が口からこぼれだす。
それだけ、私も八方ふさがりでどうしたらいいのか分からなかった。

「真和。ごはんできたよ。真和~~……真和?」

真和の好きなオムライスをもって部屋に上がると、そこにいたはずの真和の姿がなかった。

「トイレかな?」

と思ってもトイレにはいない。
2階に上がって探してみても真和の姿はなかった。
玄関を見ればあるはずの真和の靴がない。

「まさか夏樹のところ?」

頭に浮かぶのは夏樹のことだった。
あんなにも会いたがっていたんだからひとりで行った可能性もある。


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