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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

外に出れば夕日は傾き、あたりは薄暗くなり始めていた。
夏とは違い陽が落ちるのは早く、一瞬で暗闇に変わる。
見知った道だと分かっていても、一人で外を歩いたことがない。
ましてや暗闇の中を出歩く姿を思い浮かべるだけで、私の方が泣きそうになる。
「泣いてる場合じゃない。とりあえず夏樹に電話!」
まずは夏樹に電話だと、急いで電話をしても通話音がするだけで夏樹が出てくれることはなかった。
「夏樹?!真和がいなくなったの。夏樹に会いたいってずっと言ってたから夏樹に会いに行ったと思うけど行ってない?――夏樹!!!お願いだから真和と一緒かだけでも教えて!!」
最後は叫ぶようにメッセージを残した。
夏樹の返事を待っていてもいつ返事が来るか分からない。
真和がいつ帰ってきてもいいように玄関のカギを開けたまま夏樹の家に向かった。
小さい足でどこまで行ったから分からないから、砂浜と砂浜と並行して伸びる道路を探しながら夏樹の家に向かった。

