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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

「先ほど、そこを歩いている真和くんを見かけたんですよ。日も落ちかけているし心配になって声をかけました。真緒さんの言う通り夏樹さんのところに行こうとしていたみたいですが、真緒さんには何も言わずに出てきたと聞いたのでとりあえず連れて戻ろうかと――大丈夫ですか??」

話を聞きながら身体の力が抜けたかのように脱力する私を佐伯さんは支えてくれた。

「すいません。真和が一緒だって聞いて安心して……」

「ええ。無事ですから安心してください」

私が落ち着くようにと、抱きしめたまま身体を擦ってくれていた。

「勝手に出たのが悪いことだと分かっているようですね。真緒さんと合わせる顔がないようで車から降りようとしません。理由は何にせよ。怒らないであげてくださいね」

「それはもちろん……全て私が悪いんですから」

勝手に出て行った事に対しては言い聞かせる必要はあるけど、夏樹に会いたくて家を出たのが分かるから頭ごなしに叱ることは出来なかった。


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