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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

「この島の魅力は何と言ってもこの立地と人の温かさです。全てを高級ホテルにしてしまうとその良さが失われてしまう。だったこのままの雰囲気を残したいと思ったんです。もちろん集客がなければ意味がない。ですので反対側には高級リゾートらしくある程度の高さがあるホテルを建てたいと思ったんです。癒しを求めるのなら真緒さんたちが住んでいるこの場所で。リゾートを楽しみたい人は反対側のリゾート地へ。両方楽しめる島にしたいんです」

佐伯さんが渡してくれた2枚目の紙には、私のお店がそのまま残っていた。
きれいに書かれていても一目で私の店だと分かる。

「これは……私の店ですよね。それに夏樹の家の民宿も」

「そうです。新しければいいというわけでもありません。もちろん建て替える必要はあるかもしれませんが、おもてなしは今まで通り、それを目指したいと思っています」

リゾート開発が進めば、この店は手放さなければいけないと思っていた。
それが残るとなればうれしいことはない。


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