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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「和泉の事はもういいんだって。それより佐伯さん、今日はどういったご用件で?」
これ以上このことに触れてほしくなかった私は、話を変えるために佐伯さんに話を振った。
「そうでしたね。今日は担当が変わったことと、私たちが推し進めようとしているリゾート開発の新たな概要を説明にあがりました。メインは挨拶ではありますが、前担当と同じだと思われたくありませんので持参いたしました」
佐伯さんも前担当の構想が気にいらなかったことが言葉尻からでも読み取れた。
「では、まずはこれを見ていただきたいと思います。ラフな絵ではありますが分かりやすいかと」
そう言って、昨日見せてくれた書類を出して説明を始めた。
建て替えが必要でも、この店が存続できると聞けばソンちゃんも食い入るように佐伯さんの話を聞いてくれる。
佐伯さんの話を詳しく聞けば、反対する人も少ないんじゃないかと思うほど丁寧で島民の心に寄り添った計画を説明してくれた。