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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…

「担当が変わるだけでこれ程までに変わるとはね。それに、良くこの島を分かってくれてるね。あんたも島出身の子かい?」

「いえ、暮らしたことはないのですが島が好きなんですよね。一度行った島が忘れられないんです。人の温かさ、そしてゆったりとした時間の流れ。その中で癒され、また戻ってきたいと思ったぐらいです。そんな風に思わせるリゾート地をつくりたいと思いました。いらっしゃいではなくただいまをコンセプトにと考えてます」

「島とはそういうもんだからね。大きな建物を建てて人がくれば良いってもんじゃない。そこに住む人の事を考えてもらわなきゃ私たちは頷けない。――あんたが本気でそう思うのなら反対する人はいないだろう。けど簡単にあんたを信用するわけにはいかないよ」

「分かっています。前の担当の性格は良く分かっていますから良い印象をもっておられないのも十分承知しております。ゼロから……いえ、マイナスからのスタートだと私たちは考えています」

ソンちゃんの冷たい言葉に怯みもせず佐伯さんは答えていた。
それが佐伯さんの好感度をあげていた。


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