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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「近いうちに住民説明会を開催しよ――」
「ママ~~ただいま~」
勝手口が開いて真和が保育園から戻って来た。
佐伯さんが来るのが分かっていたから、お迎えはちーちゃんママにお願いしていた。
「おかえり」
「ソンちゃんただいま~~。あれ???千春兄ちゃんだ!」
佐伯さんを見つけた真和は、少し前みたいに飛びついていく。
「お帰り真和くん。保育園は楽しかったかい?」
「うん。今日はね。みんなでお散歩にでかけたの」
佐伯さんは軽々と真和を抱き上げ、いつものように真和の話を聞いてくる。
その姿を見てソンちゃんは眉をひそめた。
「今日は泊っていくの?」
「今日は泊らないよ」
「じゃあ、暗くなるまで遊べる?」
「ごめんね。仕事で来てるから今日は遊べないんだ」
当たり前のように会話をするふたり。
その内容に冷や冷やしながらソンちゃんを見れば、思った通り良い顔をしていない。
4日間は隠し通せたのに、こんなところでバレるとは思いもしなかった。