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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「だけど、私は夏樹がいいの。もう和泉を待たないって決めたの。佐伯さんに会ってそれが良く分かったの」
「だったらその気持ちを夏樹ちゃんに伝えると良い」
「何度も言ったよ。だけど取り合ってくれない」
「じゃあ、あきらめるのかい?」
「やだ!あきらめたくない。夏樹を手放したくない」
ソンちゃんに言われて、自分の心の内を叫んでいた。
そうすれば、ソンちゃんはにっこりとほほ笑んで頭を撫でてくれた。
「だったら夏樹ちゃんに分かってもらえるまで話をするんだね。返事をしてくれなくても思ってることを伝え続けると良い。そのうち気持ちは伝わるさ。夏樹ちゃんだって混乱したるだけかもしれないしね。そうと決まれば速い方が良いだろう。真和は私が面倒見てるから行っといで――って真和はどこにいっちまったんだい?」
ソンちゃんの言葉で真和がいないことに気が付いた。
家の中、店の中を探しても姿が見当たらない。
そうなると行く場所はひとつしかない。