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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「とりあえず行ってくる」
ドアノブに手をかけた瞬間、ドアノブは勝手に回りドアが開いた。
そこには真和を抱いた夏樹が立っていた。
「夏樹っ?」
「真和がひとりで来たから連れてきた」
私から視線を逸らして、それだけを口にする。
夏樹の言う通り、夏樹に抱きかかえられた真和の姿を見て、私もソンちゃんもホッとした。
「うん。ありがとう。今から夏樹の家に行こうと思ってたんだ――真和おいで」
真和に手を差し伸べても、真和はイヤイヤと首を振って私の方に来ようとしない。
無理やり引き離そうとすると、夏樹にしがみついて夏樹から離れなかった。
「夏樹ちゃんに会いたくて行ったんだろう?帰ってきたらすぐに会いに来るって約束もしてたんだ。離れたがらないのは当然じゃないか。大人の都合で子供に辛い思いをさせるんじゃないよ」
夏樹から離れない真和に困っていると、ソンちゃんが間に入ってくれた。
大人の都合と言われて私も夏樹も何も言えなかった。