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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…

「佐伯さんだっけ?和泉じゃないにしても、あの人を父親と感じてるんだろうな……」

「どういう事?」

夏樹の言っている意味が分からず問い返せば、優しい笑顔がくしゃりと歪み、真和を撫でていた手を握りしめていた。

「和泉じゃないのに和泉と同じ顔……和泉の写真を見たことあるからどこかで父親だと感じてるんだろうなって、昨日のお前たち3人を見て思った」

「昨日って……」

「真緒から真和がいなくなったってメッセージが残ってるのに気が付いて探しに出たんだ。うちに来るなら道は一つしかないと思ってお前の家に向かったんだ。そしたらお前と真和と佐伯さんの3人一緒にいる姿をみかけた。真和は安心しきったように佐伯さんの腕の中で眠って、真緒は楽しそうに笑ってた。それを見てたら真緒が惹かれるのも分かるなって――これが本来あるべき姿なんだなって感じたんだ」

「夏樹?」

夏樹の言葉に嫌な感じしかしない。
この言葉はどう考えても諦めの言葉。


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