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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
夏樹の吐き出す言葉に胸が痛くなる。
私が何気なく過ごした4日間は、夏樹にとっては屈辱的な時間だったのかもしれない。
「昨日はあんな姿を見せられ、今日はそんなことを言われたら俺の立場って何んだよってなるだろう。お互いに好きあって、真和も佐伯さんを認めてるなら俺はいなくなった方がいいって思うだろう」
夏樹の言葉は、私が願っていない方へと進んでいく。
このままでは完全に勘違いをして身を引こうとする。
それだけは避けたかった。
「夏樹は勘違いしてるよ!私が好きなのは夏樹だよ!佐伯さんでもなく、和泉でもなく夏樹なんだよ。それに真和が認めてるもの夏樹だよ!それだけは信じて!!」
「声が大きいって」
縋りつく私の声は徐々に大きくなり、このままだったら真和が目を覚ましそうで下で話をすることになった。
冷たいお茶をカウンターに置いて並んで座った。
そのお茶を一気に飲み干した夏樹は、空になったコップを見ながら口を開いた。