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第18章 伝えたい想い…

「うん。来年も来るから会おうって約束したよね。けど、来てくれることはないって心のどこかで分かってたんだ。それでも真和が産まれ、分かっていても踏ん切りがつかなくて長いこと待ち続けた。夏樹の気持ちを知っていながらどうすることもできなかった。それでも、夏樹の手を取って前に進もうって決めた。……決めてもどこか迷っている自分もいたの」

「迷って、たのか？」

「夏樹と一緒になることには迷いはないよ！」

少し震えて聞こえてくる言葉に慌てて違うと伝えると、安心したように頬が緩むのが見てとれた。

「正直、その迷いが何なのか自分でも分からなかった。夏樹と一緒になることに迷いはないの。それだけは揺るがないの。それでも何かが心の中にあって、それが分からなかった」

心の中に残る何か、考えても分からなかった。
だから見ないふりをしていた。
私が好きなのは目の前にいる夏樹だと自分に言い聞かせ、その迷いから目を背けていた。
その迷いが何か分かったのは佐伯さんに会ってから。