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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「和泉に似ている佐伯さんが現れて、短い時間だったけど真和と一緒に過ごして家族の気分を味わうことができた。和泉がいたらこんな感じだったのかなって叶わないと思っていた時を過ごすことができた。その時に、その迷いが何だったのか分かったの」
「何、だったんだ?」
聞くことのない弱々しい言葉。
今すぐにでも抱きしめて安心させてあげたいけど、はっきりとしない今、夏樹はそれを望まない。
それが分かっているから、抱きしめたい心を抑えて話を続ける。
「私ね。真和に対してずっと後ろめたかった。真和が産まれてきてくれたことに後悔はないけど、父親のいない寂しさを味合わせてしまってる事だけは後悔したてた」
「だから俺が!真和が寂しくないように支えてただろう!?」
夏樹の言う通り、真和が寂しくないようにいつもそばにいてくれた。
私にできないようこと、父親がするようなことは夏樹が全てやってくれて、真和に寂しい思いをさせることはなかった。