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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「うん。ずっと私を支えてくれてたのは夏樹だった。真和が産まれてからだけじゃない。この島に来てからずっと私を支えてくれてたのは夏樹だった。当たり前で深く考えたことはなかったけど、佐伯さんに会ってそれが良く分かったの」
夏樹が側にいてくれることが当然だと思っていた。
その事に何の疑問も持たず、感謝をしても特別な事だと感じたことはなかった。
考えてみれば、出会ったその時から夏樹は私に優しかった。
私の事を一番に考え、私の心を優先してくれた。
真和のことだって、全然関係ないのに一番親身になって側にいてくれる。
それは当たり前のことではなく奇跡に近いんじゃないかと、佐伯さんと出会えて思えた。
「本当は、誰が父親かなんて関係ないんだよね。もちろん血のつながった父親が初めからいれば話は別なんだろうけど、私の場合は違った。それなのに血のつながりということに固執してた。ちゃんと父親はここにいたのにね」
そう言葉にして、夏樹の両手を自分の両手で包む。