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第19章 好きなら奪って

掃除をしているとカランというドアベルがなり、佐伯さんが顔を出してくれた。

「今日はもう終わったんですか？」

「こんにちは。花火大会が終わればこんな感じですよ。夏の間が特別だったんです。なので佐伯さんのリゾートの構想は驚きなんですよ。一年中賑わう島。今から楽しみです」

「そう言っていただけると頑張ろうと励みになります。今回ほどやりがいのある仕事はありませんからね。必ず実現してみせますので楽しみにしていてください。」

その言葉に、このリゾート開発にかける意気込みを感じ取れる。
私たちの島民に寄り添う島づくり。
それは良い方向に進み、住民説明会でも反発する人は少なかった。
反対派がいたとしても、根気よく話して分かってもらうと良く足を運んでくれていた。

「それで？今日はどうされたんですか？スーツじゃないのも珍しいですね」

最近では仕事で島に訪れることが多くスーツ姿ばかりを目にしているからラフな格好は新鮮だった。