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ひと夏の恋……そして……
第19章 好きなら奪って
その思いが届いたのか、今まで立ち尽くしていた夏樹の足が一歩動いた。
一歩動けば、そこからが早かった。
私から佐伯さんを引きはがすと、何も言わずに佐伯さんを殴りつけ、佐伯さんは勢い余ってテーブルに身体を打ち付け床の上に転がった。
それと同時に真和の泣き声が店内に響き渡り、私は急いで真和の元に駆け寄った。
「急に怖かったね。怖かったね」
しっかりと私に抱きついてくる真和を抱きしめながら言葉をかけて背中を擦った。
その横には夏樹も寄り添い声をかける。
「真和、ごめんな。びっくりしたよな」
声をかけ背中を撫でようとすれば、真和は逃げるように私の身体を強い力で抱きついてくる。
夏樹は私を助けただけなのに、真和の目にはそうは映らなかったみたいだ。
「夏樹、ごめん」
「いや。いきなり手を出して真和を驚かせた俺が悪いんだ。カッとなって後先考えずに俺……ごめん」
顔を歪ませて悲しそうな夏樹の表情を見て、これも全て佐伯さんが悪いんだと、佐伯さんを睨みつけた。
その佐伯さんは身体を起こし、夏樹に殴られた頬を撫でながら――笑っていた。
一歩動けば、そこからが早かった。
私から佐伯さんを引きはがすと、何も言わずに佐伯さんを殴りつけ、佐伯さんは勢い余ってテーブルに身体を打ち付け床の上に転がった。
それと同時に真和の泣き声が店内に響き渡り、私は急いで真和の元に駆け寄った。
「急に怖かったね。怖かったね」
しっかりと私に抱きついてくる真和を抱きしめながら言葉をかけて背中を擦った。
その横には夏樹も寄り添い声をかける。
「真和、ごめんな。びっくりしたよな」
声をかけ背中を撫でようとすれば、真和は逃げるように私の身体を強い力で抱きついてくる。
夏樹は私を助けただけなのに、真和の目にはそうは映らなかったみたいだ。
「夏樹、ごめん」
「いや。いきなり手を出して真和を驚かせた俺が悪いんだ。カッとなって後先考えずに俺……ごめん」
顔を歪ませて悲しそうな夏樹の表情を見て、これも全て佐伯さんが悪いんだと、佐伯さんを睨みつけた。
その佐伯さんは身体を起こし、夏樹に殴られた頬を撫でながら――笑っていた。