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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ

『本当?この家から通うの?ずっとなつ兄ちゃんと一緒にいられるの?』

興奮する真和を抱きかかえて起きた夏樹は、胡坐をかいた上に真和を座らせると大きな手を真和の頭の上に置いた。

『ああ。ずっと真和とママの傍にいるって決めたんだ。だからこの家に帰ってくる。毎日真和と一緒だ。いいか?』

私と夏樹の間で決めた話を最終確認だと言わんばかりに真和の聞いてくれる。
その言葉を聞いた真和は飛び跳ねるように喜んだ。

『やったぁ~~なつ兄ちゃんずっといるんだ』

『そんなにうれしいのか?』

『うん。僕ね。ずっとお願いしていたの、そのお願いが叶って嬉しいの』

『お願いごと?』

真和の言葉に私の方に視線を向ける夏樹。
私もその願いが何なのか知らないから首を傾げるしかなかった。

『真和、誰に何をお願いしたの?』

そのお願いが何なのか聞けば、真和は興奮したように教えてくれた。


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