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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ
『あのね。あのね。お星さま、流れ星にお願いしたの。――なつ兄ちゃんがパパになってくれますようにって……そう、流れ星にお願いしたの』
元気よく答えた言葉に、私と夏樹の呼吸が一瞬止まった。
そして、次の瞬間には夏樹は顔を背けて何も話さなくなり、その肩は震えていた。
何も話さない夏樹に真和は言ってはいけないことを言ってしまたのかと不安そうな表情。
だから真和を後ろから抱きしめて3人の手を繋いだ。
『なつ兄ちゃん、うれしいんだって。ママもなつ兄ちゃんも真和と3人で家族になるの夢だったから、真和の方から言ってくれてなつ兄ちゃん感動して言葉もでないんだよ』
『ママもうれしい?』
心配そうに見上げてくる真和に、とびきりの笑顔を見せる。
『うれしいよ。これからはずっと一緒だからね』
『そうだぞ。これからはいつだって一緒だ』
目を真っ赤にした夏樹が真和の頭に手を置いて言ってくれた。
その言葉を聞いた真和は夏樹に抱きついてこう言った。
『やったぁ~なつ……パパ大好き!!』