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ひと夏の恋……そして……
第1章 進みだした時間
このお店は叔母さんから引き継いだお店。
両親から勘当され、行く当てもない私を叔母さんは快く迎え入れてくれた。
叔母さんがいなければ今の幸せは手に入らなかったと思う。
だけど、その叔母さんも3年前に癌で他界し、この場を離れたくない私は無理を承知で店を引き継いだ。
幸いなことに、子供のいない叔母さんは財産の全てを私に託してくれていたからどうにかお店を続けられている。
それがなかったら一年も続けていられなかったと思う。
ここは海辺の小さなレストラン
真新しくもなく、おしゃれでもないけどアジアンテイストの中に緑を生かしたレイアウトが若いお客さんに人気。
そしてなんと言っても、エメラルドグリーンを見渡せるウッドデッキが自慢の小さな……本当に小さなレストラン。
ランチ時には砂浜からそのまま来たお客さんで賑わい、お昼ご飯も食べられない程大盛況だった。
叔母さんが店をやっている時は、夜も店を開けていたけど今はそこまで手が回らない。
キャンドルに照らされた大人の雰囲気が憧れだったけど、憧れだけで店をやれるほど蓄えもなければ暇もなかった。
だけど、いつかはと夢は捨ててはいない。


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