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ひと夏の恋……そして……
第3章 自由になる為に

「もっと早くに様子を見に来たかったけど、マリさんに落ちついてからの方が良いって言われたんだ。……大丈夫か??辛くなったりしてないか?」

余り時間がないと分かった夏樹さんは、時間を惜しむように聞いてきた。
それがうれしくて、涙が溢れてくる。

「我慢しなくていい、泣きたかった我慢せずに泣けばいい」

下を向いて唇を噛み締めている私の頭を撫でながら優しい言葉を掛けてくれた。
その言葉がうれしくて泣いた。
とめどなく流れる涙をポタポタと落としながら泣き続けた。

「ごめん、なさい」

「謝らなくてもいい。それよりマリさんに聞いたときはびっくりした。色々聞いていたからさ。俺、心配で……大丈夫か??頑張れるか?」

「……はい、頑張れます」

本当は、さっきまでは頑張れないと思っていた。
だけど夏樹さんが来てくれて、私には私を認めてくれている人がいると思い出せば頑張れると思った。
だから、頑張れると笑顔を向けた。



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