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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ
「本当に昨日はびっくりしました。まさかキスされるとは思ってもいませんでした。それも……舌を入れて、犯されてる気分でした」
犯されているという部分を強調すれば、佐伯さんの肩が一瞬震えた。
「正直怖いと思いました。あんなにやさしかった佐伯さんが豹変して怖かった。それと同時に悲しかった。信じていたのにって悲しかったです」
昨日の事を思い出せば嫌な気持ちが沸き上がる。
だけどそれだけじゃないのも確かだった。
「それでも感謝しています。佐伯さんが夏樹を挑発してくれたおかげで夏樹と元に戻ることができた。いえ、前よりももっと絆が深まったと思います」
「では……仲直りできたんですか?」
「はい。これからもずっと一緒にって話しました。仕事もここから通っていつも一緒にいられるようになったんです。それに、真和が夏樹の事をパパだと呼んでくれたんです。それが一番うれしかった。だから佐伯さん、頭を上げて椅子に座ってください。少し一緒にお茶でも飲みましょう」