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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ

「それもそうですね。夏樹さんがしっかりと真緒さんを繋ぎとめておけばこんなことにはならなかったんですよ」

今まで下手に出ていた佐伯さんの態度ががらりと変わり、夏樹は少し前に戻ったように喧嘩腰になる。

「はぁ?何言ってんだ?」

「んっ?正直な気持ちを言葉にしたまでのことですよ。あれだけ真緒さんは自分の気持ちを真っすぐに伝えているのにウジウジしてる方が悪いんですよ。このまま夏樹さんがウジウジしっぱなしだったら本当に連れて帰ろうかと思ってたんですよ、私は」

「何だとっ?!!」

佐伯さんが挑発的な言葉を口すれば夏樹が乗ろうとする。
ハラハラと見ていることしかできない私と違って、佐伯さんは尚も楽しそうに夏樹を挑発する。
そう……夏樹が牙を剥き出しにしたような感じなのに対して佐伯さんは楽しそうに夏樹を挑発していた。
それは夏樹とじゃれているような、何とも懐かしさを感じた。


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