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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ
「私だってひとりの男ですからね。親身になってくれる相手がいたら心惹かれますよ。一つ屋根の下で暮らしたんです。心が揺れるのも当然ですよ。それに真和くんだってかわいいじゃないですか。千春兄ちゃん、千春兄ちゃんって私に懐いてくれてますからね。短い時間でしたけど私を慕ってくれてました。本当の息子にしたいぐらいですよ」
「おまっ、何言ってんだ。真緒も真和もお前には渡さない!――俺はな!真和にパパって呼ばれたんだ。そうだ!俺は真和に父親だって認められたんだ。一週間かそこらしか一緒にいないお前なんかより俺の方に懐いてるんだよ」
真和にパパと呼ばれたのが相当うれしかったのか、勝ち誇ったかのように言い放つ。
「一度だけでしょ?まだまだ私にもチャンスはあると言うことです。気を抜いたら真緒さんと真和くんを攫っていきますから」
「なんだと~~」
今にも殴り掛かりそうな夏樹を止めに入ったのは言うまでもない。