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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
それからの金平さんとのつきあいで、担当は当初の金平さんが引き継ぐことになった。
担当が変わり開発はどうなるのかと心配していたけど、金平さんが佐伯さんの案そのままで引き継いでくれた。
それは大きな誤算で、収益が一番だと豪語していた人が佐伯さんの案を全て受け入れるとは思わなかった。
どうして佐伯さんの案を受け入れてくれたのか一度聞いてみたいと思っていたことで良い機会だと思って聞くことにした。
「正直驚きました。まさか佐伯さんの案で話を進めるとは思っていなかったので」
「利益だけを追求した計画を強引に推し進めると思ってたか?」
「……はい」
素直に頷けば豪快に笑う。
「本当にキミは思ったことをはっきりと口にする――まぁ、そういう性格の女は嫌いじゃない」
そう言って伸びきてきた手は頬に触れ、咄嗟に距離を取るように離れた。