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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
「本当に外で遊ぶの好きだよな」
いつものように真和と砂浜で遊んでいると、仕事が終わった夏樹が声をかけてくれる。
真和と砂浜に出ている時はここで落ち合い、真和と三人で手を繋いで帰るのがいつもの事。
砂浜に出ない時は家で夕食の準備をしながら待つのが日課になっていた。
夜も3人で一緒に寝て朝食も一緒に取って送り出す生活。
それが当たり前のように、それが昔から続く家族のように過ごすことが出来ている。
「寒いな」
夏樹が手袋を外す様子を見ながら私も手袋を外せば、自然と手を繋ぐ。
「手袋してるのに冷たない」
そう言いながら夏樹のポケットに手を入れるとホッカイロの温もりが心地よかった。
こうやって手を繋いでいる時が幸せだった。
目の前では真和が楽しそうに笑い、隣には愛する人。
これ以上ない幸せだと思っている。