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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
「今日も問題なかったか?」
手を繋いだまま砂浜を歩いていると、夏樹が聞いてくる。
昼間はそれぞれ別の場所で仕事をしている私を心配し、毎日のように聞いてくれる。
一緒に住むようになって変わった事の一つだった。
「今日はね。金平さんが顔を出してくれたよ。いつもはコーヒー一杯なのにAランチ頼んでくれた。ソンちゃんのハンバーグ、おいしいって。どこに行ってもやっていける味だって太鼓判おしてくれたんだよ」
「ソンちゃんの味は世界一だからな。舌が肥えた人でも納得させられる味だ」
ソンちゃんのハンバーグが褒められれば私同様に夏樹もうれしい。
物心ついた頃から食べていると言っていたから思い入れも私より深い。
「うん。世界一だよ」
そう言って顔を見合わせると自然と笑顔になる。
「あ~~パパだぁ~。おかえり」
お互いに顔を見合わせて微笑んでいると、夏樹の姿を目にした真和は一目散に走って来て、それを受け止める夏樹。
初めは恥ずかしがっていたパパ呼びも、今では当たり前になって違和感はない。