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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で

ソンちゃんのハンバーグだと分かれば頬を緩ませて喜ぶ真和。
私が作ったとしても、ここまで喜んではくれない。
同じ食材、同じ分量で作ってもソンちゃんの味にはならないのが不思議だった。

「今日も手伝ってくれるの?」

「うん。ママのお手伝いする!」

佐伯さんと一緒に料理をしてから、真和は率先して手伝いをしてくれるようなった。
火の回り、刃物の扱い以外は何でも手伝ってくれる。
佐伯さんと一緒にいた時間は、真和にとって成長できる機会になったようだ。

「じゃあ、俺はお風呂洗ってくるな」

「うん。お願い」

私たちが料理を始めると、仕事で疲れているはずなのに率先して家の事を手伝ってくれる。
ソンちゃんのハンバーグを作るのも何度目か分からない。
だから見守るだけでソンちゃんのハンバーグを作ってしまう。
その他の料理は一緒に作りテーブルに並べれば、私の向かい側に夏樹が座り、夏樹の横に真和が座った。
これが定位置になっている。


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