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ひと夏の恋……そして……
第3章 自由になる為に
「……いつも鍵を?」
叔母さんが見たのは外からかけられる鍵だった。
「うん。帰ってから寝るまでの間。トイレと食事とお風呂以外は出してもらえない。以前は鍵はなかったけど、叔母さんのところから帰ってからは鍵がついたの。門限も学校が終わってから1時間以内……1秒でも遅れると……」
叔母さんに手を引かれて部屋に入るとギュっと抱きしめてくれた。
その温もりが暖かくて叔母さんにしがみ付いて泣いた。
「辛かったわね……ここまで酷いとは思わなくてごめんね。」
叔母さんが謝ることじゃないと頭を横に振っても、叔母さんは何度もごめんねと謝てくれた。
「昨日の夕方、夏樹ちゃんがお店に来て真緒から電話があった事聞いたの。夏樹ちゃんが迎えに行くって言ってくれたんだけど流石にね。だから叔母さんがきたの……義兄さんが戻ってきたら叔母さんが話をするから安心してちょうだい」
叔母さんの言葉にほっとして、だけど、それは可能なのかと心配になった。
あのパパとママが叔母さんの言う事を聞いて私を開放してくれるとは思わない。
逆に、電話をして迷惑をかけてしまったと後悔した。