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ひと夏の恋……そして……
第3章 自由になる為に
ママがパパに電話をしていたのか、いつもより早くパパが戻ってきた。
大人たちだけで話すからと私は部屋にいるように言われ、下でどんな話が進んでいるのか分からなかった。
時折聞こえるコップが割れる音、癇癪を起すママの声、パパの罵声に何度も止めに降りようかと思ったかわからない。
だけど、この生き地獄から抜け出すには叔母さんに頼るしかないと、ベッドの上で膝を抱いて叔母さんが上がってくるのを待った。
どのくらい待っただろう。
階段を上がる音がし、私の部屋に入ってきた叔母さんの表情を見てすべてを諦めた。

「叔母さん……」

「真緒、ごめんね」

弱々しくてそれだけ言って私を抱きしめる。
やっぱりだめだったんだとそう思った。
だけど違った。

「今すぐには無理だった。だけど条件付きで夏休みだけでも引き取れるようになったの」

夏休みだけだと言われてショックを受けたけど、それでもこの家から離れられるのはうれしかった。

「条件って?」



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