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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

「そのお客さんはいいの?」

「同じ県内でわざわざ行く事もないからって貰ったんだ。日程的に今日明日がお互いにいいと思ったんだ」

「それは構わないけど」

そう言ってソンちゃんに視線を投げた。

「真和の事は任せておきな。ふたりでゆっくりとしてくればいいさ」

ソンちゃんは問題ないと言って快く引き受けてくれた。
その事を真和に話すと、ソンちゃんの家に泊まりに行く事を大いに喜び、楽しそうに荷物を詰めはじめた。
1泊しかしないのに、あれもこれもと大きくなる荷物に夏樹と一緒に笑った。
次の日は真和を保育園に送り届け、そのまま夏樹の車で本土に渡り空港へ。
そのまま飛行機に乗った私たちは東京へ向かった。
空港を出れば人、人、人。
こんなに人を見るのは花火大会の時ぐらいで、人の波に飲まれそうになるのを夏樹が腕を取って阻止してくれる。

「ごめん、あまりにも人が多くて」

「だろうと思った、とりあえずは……そうだな。お昼を食べてフラリとするか」


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