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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

電車に乗り込み、テレビで見る程の満員電車じゃなくてホッとして椅子に座った。

「あのギュウギュウな電車かと思った」

「通勤ラッシュはそうなるらしいな。それに空港が始発だから混み具合もこんな感じだろう。――お昼はさ、これからの勉強のためにハンバーグの美味しい店にしようと思うけどいいよな」

そう言いながらスマホの画面を見せてくれた。
口コミを見れば星が5つ。
どれも、おいしかった、こんなハンバーグは初めて食べたと絶賛のコメントばかり。
写真を見ると私のお店とは比べ物にならないぐらいお洒落で、今からここに行くのかと思うとドキドキした。
駅を降りて歩く街並みは、いろいろなお店が立ち並び華やいでる。
冬場は閑散とする島とは違い、一年中活気あふれる街並みがうらやましくも感じた。
そして一つの建物中に足を踏み込んだ。
エレベーターで4階まで上がり、重厚な扉を開けると太陽が燦燦と差し込む店内が私たちを迎えてくれる。
かわいらしいエプロンをかけた女性が現れ、奥のテーブルに案内してくれて、本日のお勧めだとパスタを進めてくれた。
だけど、私が食べたいのは決まってる。


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