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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

「夏樹。デミグラスソースのハンバーグが食べたい!!」

「言うと思った。俺がパスタ頼むからシェアしようぜ」

「うん」

シェアするという言葉にもドキドキする。
外でご飯を食べると言うことをしない私にとって、違うものを頼んでシェアするという経験がなかった。
それ以前に、島以外で夏樹と一緒に過ごすことが初めてで新鮮だった。
少し待てばサラダとコンソメスープが先に運ばれてくる。
それを食べながらメインが来るのを待つらしい。
夏樹とたわいもない会話をしながらメインを待つこと20分。
出来上がったばかりのハンバーグとパスタが運ばれてきて、匂いだけで期待が膨らんだ。
ハンバーグにナイフを入れると染み出てくる肉汁。
その肉汁とデミグラスソースに肉をつけて口に運んだ。

「どうだ?評判通りか?」

夏樹は自分の前に運ばれてきたパスタをフォークでクルクルと巻きながら私の様子を伺う。

「美味しいとは思うよ……」

「なんだ?それっ。曖昧だな」

そう。
曖昧な答えしか言えない。
美味しいのは美味しいとは思う。
だけど、それだけで感動はない。
そして何よりも……


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