この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

「ソンちゃんの作ってくれたハンバーグの方が美味しい。身内の欲目なんかじゃなくて……夏樹も食べてみてよ」
ハンバーグのお皿を差し出すと、持っていたフォークで起用に切って口に運んで食べた。
飲み込んだ後に、お皿のデミグラスソースだけをスプーンで掬って味を見る。
「真緒の言いたいこと、何となく分かるな。美味しくないわけんじゃない。けどソンちゃんのハンバーグには負けるな」
お店の人に分からないように小さな声でソンちゃんのハンバーグを絶賛する。
こんな人気のある店でこの味なら、ソンちゃんがこっちで店を出したらもっと人気の店になるかもしれないと、夏樹と見合って同じことを考えていたのかお互いに頷きあった。
期待はずれだったけど、ソンちゃんのハンバーグの方が上だと分かっただけでも収穫があったと店を出た。
まだ時間はあるからと街中をブラリと歩いて回った。
その間中手を繋ぎ、夏樹との初デートを楽しんだ。
かわいらしいお店では夏樹と真和とのお揃いのマグカップを買い、お留守番をさせている真和と、真和を預かってくれたソンちゃんにもお土産も買った。

