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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

15時頃になると、チーズケーキが美味しいと定評のあるお店に連れて行ってくれる。
チーズケーキだけでこんなにも種類があるのかと驚くほどショーケースに並ぶ。
どれを食べるか悩む私に、自分の分も選んでくれと言われ3種類のチーズケーキを頼み、ここでもシェアすることにした。
店内は女性客が多く、男性は夏樹を合わせて3人だけ。
「男性客少なくて居心地悪くない?」
「そうか?俺は別に気にしないぞ、真緒が側にいればそれだけで十分だ」
夏樹の手が、テーブルの上に置いていた私の手の上に重なった。
あまりに自然な動きに、私の方がドキドキする。
こんな人目の多いところでと思い回りを見ても、誰一人私たちの事を気にする人がいない。
「俺たちのいた島じゃないんだ。知り合いもいなければ、これから先関わる人もいない。それに他人の事なんて関心がないんだ。だから周りの事なんて気にするな」
「分かってるけど……恥ずかしいよ」
手を引っ込めようとしても、その手を握られ離してはくれない。
それどころか、重ねていた手を握って夏樹の口のあたりに持っていかれると、チュッとキスをする。

