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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

「今更……違うって言っても無理なんだろうね」

夏樹と金平さんが出て行き、静まり返った病室で最初に口を開いたのは和泉だった。
あれだけ夏樹が佐伯さんではなく和泉だと言い張り、それを金平さんは否定しなかった。
この状況で佐伯さんだと言い続けるのは無理だとあきらめたようだった。

「そうだね。今更佐伯さんだって言われても……無理があるかな」

「そうやって……まだ笑ってくれるんだね」

そう言いながら伸ばしてきた手が頬に触れた。
佐伯さんと金平さんの癖、そして和泉の癖でもあった。
その癖を私が忘れるわけがない。

「この手が好きだったな。こんな風に撫でられるのが好きで、和泉の傍で甘えるのが好きだった」

和泉の手に自分の手のひらを重ねて和泉の温もりを感じてみる。
温もりを感じても、それ以上の感情は沸き上がらない。
それは私が愛しているのが夏樹だと、はっきりと分かっているからに他ならない。
だから和泉の手を頬から離して、きちんと気持ちを告げた。


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