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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い

和泉はベッドの横にあるアルバムを取り出して私に見るように差し出してきた。
それを受け取り、椅子に座ってアルバムを開いた。
そこに貼られていたのは5年前の私たちの写真。
夏樹と和泉と3人で撮った写真もあれば、和泉とふたりで撮った写真もある。
それを懐かしく思いながらめくって行くと、花火大会の時に撮った写真が一枚貼ってあった。
その後に続く写真は真和の写真ばかり。
笑っている姿、泣いている姿、いろいろな表情の真和の写真が並べられていた。

「この島で真緒と久しぶりに再会した時、真和くんがぶつかってきたよね。僕の小さい頃にそっくりだったから正直驚いたよ。そして、すぐ駆け付けた真緒を見て――この子は僕の子だって直ぐに分かった。その時に、時の流れを感じたよ。たった5年だったけど、この島ではそれ以上の時間が流れていたんだなって、初めて気が付いたんだ」

「真和の事、最初から気が付いていたんだ」


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