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ひと夏の恋……そして……
第23章 友情と愛情と絆
少し離れた所に金平さんが立っているのに気が付き、彼は私の元に歩み寄って来てそっと涙を拭ってくれた。
だけどその事には触れずに穏やかに笑う。

「話はすんだのか?」

「はい」

「それで?部屋から出てきたということは彼の所に戻るという事なんだな」

金平さんは質問するというより確認するように聞いて来る。

「はい。和泉に会っても私の気持ちは変わりませんから。それより夏樹はどこにいますか?」

金平さんと一緒に病室を出て行ったから一緒だと思っていたけど、ここには夏樹の姿はなかった。

「彼なら外で待っていると言っていた……そうか気持ちは変わらないか。まぁ、でも、これであいつも吹っ切れるか」

少し寂しそうな表情をする金平さんを見て、私と和泉の間に何があったのか知っていると分かる。

「最後に、ちゃんと話をしてくれた事、礼を言う。ありがとう」

金平さんが頭を下げてくれた。

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