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第23章 友情と愛情と絆

言いたいことは山ほどあるけど、今は一秒でも早く夏樹の元に行きたかった。

「いえ。私も話せてよかったと思っています。では夏樹の所に行きたいので」

金平さんに頭をさげて夏樹がいるであろう中庭に急いだ。
大きな建物と違って中庭は小さく、夏樹の姿を見つけるのは簡単だった。

「夏樹っ！！」

夏樹の名前を呼べば夏樹は振り向き、一瞬驚いた顔をしていたけど次の瞬間には柔らかい笑顔をこぼす。
その笑顔に向かって走り出した私は、そのまま夏樹に飛びついた。
受け止めてくれる夏樹に私は腕を回して伝える。

「ただいまっ！！」

その一言で夏樹は私の気持ちを分かってくれたのか抱きしめ返してくれた。
お互いに抱きしめあって温もりを感じる。
それだけで十分だった。
しばらく抱きしめあい、身体を話すと、夏樹は私の額に自分の額をコツンと当てて言ってくれた。

「おかえり」

「うん、ただいま」

夏樹の言葉に、改めてただいまを言うと、お互いに笑いあい、これで全てが終わったとホッとすることができた。